2009年12月01日

アウトボクサーとインファイター

昨日(既に一昨日ですが…)の亀田興毅選手と内藤大助選手のWBCフライ級タイトルマッチは「因縁の対決」だったこともあり、歴代ボクシング中継の中でもトップクラスの数字を記録したそうです。
それにしても新チャンピオンになった亀田興毅選手のボクシングには感心しました。

もともと良くも悪くもイケイケの亀田ファミリーのなかで、長男の興毅選手はかなり意識的にあのキャラクターを演じていたような感があったのだが、例の亀田家バッシングの後は、本来の彼が持つ真面目さや誠実さが少しづつ表に出てきたような気がしている。
もっともこれは、父である史郎氏がトレーナー資格を剥奪されて公の場での影響力が小さくなったことや、年齢的にも親離れしてきたことの表れかもしれない。

さて、そこで昨日の試合なのだが、亀田興毅選手はやはり典型的なアウトボクサーだったと再認識した。
つまり足(フットワーク)を使って相手との距離を取りながらしっかりガードを固め、ジャブを多用して相手を踏みこませずに、隙があればパンチを繰り出したりカウンターを狙うスタイルこそが彼が目指すスタイルなのだ。
これに対して内藤選手は接近戦で足を止めての打ち合いを得意とする典型的なインファイターなのだ。
時折見せる変則的な動きもリスクを背負ってでも相手にパンチを当てるためのものなのだろう。
逆に言えば、一発でKOできるパンチを持つ内藤選手と、そこまでの強打力を持たない興毅選手ともいえる。
そして結果的に、終始自分のスタイルで試合を進めることのできた亀田興毅選手が勝利をもぎ取ったのが昨日の試合だったのです。

亀田家のあのイケイケキャラクターは父親の影響が強いのだろうが、テレビ局もキャラが濃いほうが視聴率につながる為あえてそれを前面に出していたこともあるのだろう。
しかし興毅選手は小学生のときから(父親の自己流指導とはいえ)ボクシングを学び、同時に学んでいた空手では、大会で何度も優勝したほどの腕前なのだから、打撃格闘技の基礎はかなりしっかりしているのだ。
試合後に放送されたドキュメンタリー番組で彼はこう言っていた。
「3ラウンドKO宣言はリップサービスだ、12ラウンドをフルに闘ってポイントを取る」「出入りをしっかりやれば内藤のパンチはもらわない」と。
やはり興毅選手は自分のことも、自分がやるべきことも良くわかっている、非常にクレバー(賢い、利口)なボクサーなのだ。
対する内藤選手は20歳でボクシングを始め、32歳の時に3度目の世界タイトル戦でチャンピオンになった遅咲きの選手である。
彼自身もボクシングセンスに恵まれているとは思っていないだろう。
彼の才能はあきらめず努力し続ける能力なのだ。
そんな彼の選んだスタイルがいわゆる肉を切らせて骨を絶つというものであるのは、簡単に言ってしまえばそれしかないからである。
試合後の内藤選手の無残に晴れ上がった顔は、インファイトスタイルのボクサーの宿命のようなものである。

それにしてもプロボクサーとは、つくづく因果な商売だと思わずにはいられない。
たった一度の勝ち負けで人生が大きく変わってしまうのだ。
同じプロの格闘技でも、ここまで一戦の持つ意味が大きいものは他にはないように思う。
興毅選手も内藤選手も、リング以外の場での話題があれこれ取りざたされることが多かったようだが、このあたりはボクシングをビジネスとして考えているテレビ局やマスコミの都合なのだろう。
命がけで闘った二人には過去の遺恨などというものより他にもっと大きな戦いの意味があったのではないかと思っている。
そして改めて見事な勝ち様負け様を見せてくれた二人に、心から拍手を送りたいと思った。

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posted by おやじカウンセラー at 00:36 | 🌁 | Comment(0) | 日々の徒然日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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